レシピ イノシシの和パテドカンパーニュ 梅の饗宴
繁殖期のオスイノシシ料理
イノシシは繁殖期になると独特の匂いがある。そしてオスはメスと比べると肉質が硬い。
これを美味しく解決するのがフランス料理だ。なぜなら、もともとフランス料理の発展があまり良い食材が手に入らなかったり腐りやすいものを加工する技術から発展したからだ。
今回のイノシシパテは以前から考えていたレシピなのだが、肉が貰い物なのでイノシシのレバーや網脂などはないものは他のもので代用した。
結果から言えば改良点はあるが、かなり美味しかった。頭に思い描いた組み合わせがメチャメチャ上手くいった。その組み合わせは地元で取れたものなど和の食材の組み合わせだ。
レシピ
所要時間2日
- 雄イノシシのロースとバラ
- 鶏レバー 肉の1/3の量
- クルミ
- パセリ
- ベーコン
- 干し柿
- 生姜
- 卵
- にんにく
- たまねぎ(あればエシャロット)
- 干し椎茸
- 干しポルチーニ
- 塩 重量の1.2%
- 黒胡椒
- 砂糖 重量の0.5%
- ブランデー
- 梅酒
- ローリエ
- 粒マスタード
- マーマレードジャムなど
付け合せ
- 柴漬け
- 梅のオリーブオイル漬け
- しいたけとポルチーニは前日に戻しておく。みじん切り
- 肉、レバーの筋を取りミキサーにかける。レバーはペースト状でいいのだが、肉は歯ごたえを残したいのでミキサーをかけすぎないのがポイント。ボールに移す
- 玉ねぎ、にんにくをオリーブオイルで弱火で焦がさないようにしんなりするまでソテーし冷めたら肉と合わせる
- 干し柿をさいの目に切り、塩、砂糖、スパイス、卵、クルミ、キノコ、アルコールなどを合わせて粘るが出るまでよく揉む。暖かい時期であればボールに氷水を入れたものを当てながら温まらないように混ぜる。時間があれば数時間なじませる。型に入れる直前にパセリのみじん切りを入れる
- テリーヌ型にベーコンを敷き肉を詰めベーコンで包み込むようにする
- アルミホイルで包み蒸し器に一時間入れる(厚みによって時間は前後)
- 竹串などで火が入ったのを確認したら自然に冷ます。冷めたらおもりをして冷蔵庫に入れ1日以上置いたら出来上がり。3日目あたりが一番旨い
- 梅酢のピクルス(柴漬け)と春に作った梅のオリーブオイル漬けを添えました
盛り付け。
パテの上に塩とミニョネット(包丁の背で潰した黒胡椒)を降り、マーマレードジャムと粒マスタードで召し上がっていただきます♪
理論と感想
和食は引き算だが、これは典型的な足し算の料理。1月に入ると獣臭がでる雄イノシシ、これをどうやって美味しく食べるかが課題。ちょっと語弊があるかもしれないけどフランス料理はもともと臭い肉を旨味に変える技法に優れている。和食なら匂いのついよ食材をどうやって臭みを抜くか考えるがフランス料理は逆。
強いものには強いものを足して融合させる
今回はスパイスの香りでごまかすというイメージではない。
- 玉ねぎを加えることで肉々しさを和らげる
- 干し椎茸、干しポルチーニの旨味グアニル酸を加える
- ブランデーの香りとコク。梅酒の甘みと香りがイノシシと合う
- 干し柿の濃厚な甘さ香りがイノシシと一緒に食べることで臭みを感じなくなり、旨味だけが感じれる
- 本来、肉はミンサーでひき肉にしたほうが良いのだが、業務用とは違い家庭用のミンサーはイノシシのバラ肉についている取り切れない筋が引っかかりまくってひき肉にならない。なので、フードプロセッサーでやるのが妥当。
自分が食べた感想は豚のパテよりも甘みを効かせたほうがイノシシに合う。干し柿じゃなくても乾燥イチジクとかでも良いと思う。やや甘みのある濃厚なパテをつまみながらワインは欠かせない。口休めに梅酢のピクルス(柴漬け)をかじるとこれが合う(^^)普段あまり注目を集めない食材も、まさかのパテと合わさることで別の輝きを放つ。
次回イノシシを捕獲したときが本番なので、今回はテスト。
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