単独猟 猟場解体の考え方

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単独の大物猟師で一番のネックは獲物の回収である。
地元でやっている人なら助けを呼ぶのが一番だと思うが、私は地元から1時間くらいのところでやることが多く周りに知り合いがいないので全てを一人でやっている。

イノシシや鹿を長距離引っ張るのは非常に難儀です。
なので猟場選びから考えないと大変で、なるべく効率よく持って帰りたいといろいろ試行錯誤した結果2022年度版のやり方を紹介する。

無駄になるという概念

この考え方が理解できない方は私のやり方が受け入れられないだろう。

殆どの日本人は子供の頃から、食べ物を無駄にしてはいけないということを教わる。もちろん自分もそのように親にしつけられた。

なので、獲物の内蔵も肉もできるだけ無駄にせず食べてやることが正しいと。できるだけ内蔵付きで持ち帰り、大腸や小腸は掃除が大変なので捨ててしまうがそれ以外はすべて犬と自分で食べることが奪った命への接し方だと思っていた。

でも、あるとき気がついたんです。例えば自然界では肉食動物が獲物をとって食べたあと、食べ残しを他の動物が食べる。これって普通のことなんですね。

おらは豪雪地帯の山にしょっちゅう入っていると痛感するのだが、野生動物が冬を生き抜くって想像以上に大変なこと。餓死して死んだ個体を見ることも珍しくない。真冬に獲ったイノシシの胃の内容物を見ても粗末なことが多い。

もし、おらが獲物の一部を山に残しても無駄になることはない。むしろ他の動物によって全て食べられる。そしてフンになり山に帰る。

そう考えるようになった。人間様が全部食べなきゃもったいないという固定概念が違うのではないかと。イノシシも死骸は共食いします。

なので2022年からは一部を猟場に残しても良いというスタンスなのです。ただし強欲なのでできるだけ持ち帰りたいと思っているが(^^)
もちろん地主に迷惑がかからないように配慮しなければならないし、残渣は埋めないといけないという決まりがあるので軽く草や土でもかけて置かなければいけませんね。こちらは豪雪地帯なので土をかけることは無理なので雪に軽く埋めておきます。

猟場解体

おらはイノシシ猟をすることが多い。新潟県はイノ豚系なので大きい個体は150キロもいます。もうね100キロ以上の個体を沢から一人で引き上げるだけでもすげー大変。そこから何キロも引っ張って歩くのって体が悲鳴をあげます。でもそれが当たり前だと思いずっとやってきたんだけど、、、

そこで、現場で解体してできるだけ軽くしようと。

内蔵抜いて頭外して皮剥いて、背骨から肉を外すせば6割くらい軽くなります。100キロが40キロになるのです。まあ、40キロでも結構重いですが一人でもなんとかなります。

個体が小さい場合はその状態にして持って帰るのですが、個体がでかい場合はそこから選別して持って変えることを検討します。

家でしっかり解体した場合2時間はかかりますが、猟場ではそんなに時間をかけられない。ある程度簡略化したり工夫が必要。

自分の場合は

  • 内蔵
  • 前足
  • スネ
  • 肋骨(鹿はあきらめる)

を諦める。
もちろん近距離なら全部持ってかえることもあるし状況によって変えることはある。

これをやめただけでも相当軽くなる。そして、観賞魚用の厚いビニール袋に入れて雪の上を滑らせる。

動画

この方は鹿ハンター。背ロースともも肉とトロフィーを持ち帰っているようだ。内蔵を出さずに解体する方法で約20分で完了しているので参考になる。

地面の上だがゴミもつけずに綺麗に解体されているのも参考になる。
私自身、猟場に肉を残す行為は嫌悪感をもっていたので許せないという人もいるだろう。

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