ジビエの考え方-和食は引き算でフランス料理は足し算

8715743.jpg

10年前までフランス料理店でソムリエという仕事をしていたということもあり、ジビエ料理は結構食ってきました♪

まあ、ソムリエと聞くとカッコイイ~と思うかもしれませんが、ビックリするぐらい給料は安いんですよ(笑)いつも会話するお客様の年収1億円ですが、私は200万くらい。。。

そういう職歴だったということもありフランス料理のジビエはたくさん食べてきましたが、日本の猟師料理(ジビエ)はほとんど経験がないんです。ネットで色々レシピを見ていると和食的なジビエ料理にビックリすることが多々あります。

そもそも、フランス料理と日本料理では考え方が全く異なります。フランスは足し算、和食は引き算です。

フランス料理の場合は何かを加えて味をつけてバランスを取ろうとします。しかし日本料理は素材の繊細な味を活かすために簡素な味付けをします。

フランス料理の考え方は、香りの強いジビエであれば、それに負けないようにハーブを足したり、内臓や血液などを使った濃厚なソースで食べるわけです。複雑な香りや味わいがあり、ガッツンと重たい料理になるんです。それに複雑な香りのする年代物の赤ワインと合わせて食べるのがフランス流です。

代表的なソース

  • ソースサルミ・・・使った肉のガラや内臓と赤ワインを用いて煮詰めた汁をバターでつなぐ濃厚なソース
  • ソース・オー・サン・・・血のソースである。鴨料理なんかによく使われます

食材にしてもカモはうっ血鴨といって、わざとうっ血させて血が肉全体に回るようにする高級食材があります。日本ではカモを川の水につけて血抜きをしていることがありますが、フランス料理からすると考えられない行為です。カモは血が美味しいんです!

そして、和食的なジビエ料理はシンプルな味付けをします。出汁と醤油か味噌ベースのシンプルです。香りの強い素材をシンプルな調理をすると、どうしても素材が勝ってしまいます。だから、狩猟で取った獲物はすぐに川の水につけて血抜きを行うことで、素材の香りを優しくするんだと思います。そうすることで繊細な和食と合わせやすいからだと推測できます。

例えば、ヨーロッパ産の猪の肉を取り寄せると、すごく香りが強いんです。多分、これは川などに獲物をつけて血抜きをするという工程はないのではないかな。日本人の猟師に言わせたら、処理の悪い臭い肉と言われてしまうでしょう。でも、ヨーロッパではイノシシといえば、こういうお肉なのだ。

和のシンプルなジビエ料理もいいけど、もう少し足し算の料理が加わればもっともっと料理が面白くなるんじゃないかな~

フランスのジビエ料理で日本の家庭でもできるレシピを少しずつアップしていく予定です。

(料理の画像はヤマシギのココット焼き、ソースサルミ)

ランキング参加中 クリックして頂けると喜びます!
yazirushi.jpg      yazirushi.jpg
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ
にほんブログ村
About

8 Comments

  • kent 2013-09-25 at 22:02 Reply

    一概にそうではないですが、フレンチのクラシックで重い料理には、窒息させてしめた鴨(窒息鴨)を使う。イタリアンや軽いフレンチには、頚動脈を切って血抜きをしてしめた鴨を使う傾向があるそうです。
    鮪も完全に血抜きするより多少残ってた方が鉄分の味がして美味しいといわれています。
    私は日本人ですね。

  • やんま 2013-09-26 at 13:18 Reply

    そうですね一般的に窒息鴨って言いますね~
    その名前が出てこなかった(^O^)
    格安なフレンチだと、フォアグラを取ったあとの鴨(マグレカナール)を使うことが多いですよ。太らせただけあって脂たっぷりです。

  • 2013-09-26 at 18:12 Reply

    猟銃等講習会の記事の時に匿名で書き込みした者です。
    日本とヨーロッパの食肉に対する違い。勉強になります!
    レシピも楽しみです♪
    明日、合否発表ですね。
    受かってます様、願ってます!

  • やんま 2013-09-26 at 22:41 Reply

    和さん
    こんばんは~、レシピはたまにあげますね
    そうなんです!!
    明日発表なんですよ。
    願ってくれてありがとう~~

  • ジビエ 2013-09-27 at 21:49 Reply

    初心者講習修了おめでとうございます!
    おおおっ!フレンチの世界で働かれていたのですね!!
    日本では『食材の味を活かす』という言葉を『なるべく薄味にする』ことと同義に
    考えていますが、臭いの強い食材を強い味付けでいなす事も料理として
    非常に重要なテクニックなんですね!!
    もちろん全てフランス料理のマネをしても仕方がありませんが、
    僕も日本人好みのジビエ料理の研究に取り組んで行きたいと思います!
    これからも是非、料理に関して色々と御教授下さい~!

  • やんま 2013-09-28 at 01:56 Reply

    ジビエさん
    ありがとさんです★
    ご教授だなんてとんでもない!
    ジビエ料理の研究はお互い頑張りましょう!

  • じゃん 2013-09-30 at 02:12 Reply

    一概には言えませんが、川に浸けるのはお肉の温度を落とすのが主目的です。
    興奮して走った獲物のお肉はかなり高温になっているので、(特に夏場に獲ったものは)温度を下げないと自分の熱で肉が痛んでしまうんですよ。
    血の味ですか。日本人は血を食べる習慣がないですもんね~。
    そこはジビエの歴史あるヨーロッパとは嗜好が違うのでしょうね。

  • やんま 2013-09-30 at 15:42 Reply

    冷やすのが主目的なんですね~
    なるほどです!
    フランス料理ではカモの血など手に入りづらいので、豚の血を使ったりします。血を使う料理は温度を間違えると分離してしまいます。

やんま へ返信する Cancel Reply

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください